ESC2019 エストニア国内予選大会 Eesti Laul 2019 Final レビュー記事

Eurovision 2019 エストニア国内予選大会を見ていきますよ!!
と言うことで! 3夜連続更新で見ている Eesti Laul も、今回で最後!
エストニアは毎年、バルト三国の中でも割と高い水準の予選大会を開催していて
各国のESC国内予選の中でも北欧をのぞけば間違いなく上位に入るレベルなんだね

だけど、準決勝は初日と二日目で、出場者の能力に大きな開きがあった
例えて言うなら、準決勝二日目がベテラン歌手、初日は新人賞の受賞者って感じで
歌唱力のレベルもさることながら、特に楽曲の面白さに大きな差があった
しかも、突出したセンスを持ってるような出場者よりも
視聴者からも審査員からも中間辺りに順位付けされた出場者ほど決勝に上がっていて
なんだか、当たり障りのない人が最終的には評価されそうだな、と言うようなところ

しかも、既に誰が優勝してEurovisionで歌っているのかは分かってるだけでなく
パフォーマンスそれ自体も、準決勝の内容から、そう大きくは変わらないだろうけど

はうえばー、一部の出場者は、フィジカル面やメンタル面でのコンディションによって
歌唱の具合やパフォーマンスの完成度が変わってくるだろうと思うし
食べ合わせみたいに、前後に聞く音楽によって印象が変わってくるところもあるから
見た目に同じでも、見え方の印象は違うと思うんだよね
それで言えば、各出場者の曲のMVもみるべきではあるんだけどさ

そういうわけで、今回見ていくのは今年の2月16日に放送された番組
結末までの過程を、じっくり見ていこう
Sissi
(曲:Strong

いまさらけど、エストニアってよりスウェーデンだよな
改めて見てみると、キャットウォークからスタートして、客席で終わるところや
随所のカメラアングル、ステージパフォーマンスに
バックダンサーやバックアップシンガーのサポート含め
明らかにステージング、ステージプレゼンテーションがESCを想定していて
さながら、Eurovision の予行演習みたいな状態になっているように見える
それゆえに、これはむしろ、Melodifestivalen っぽさがあるように思えてくる
初戦だと、他の曲を聴いた後で見ていたから気が付かなかったけど
今年のEesti Laul を決勝からしか見ていない人は、そういう違和感を覚えたかもね

加えて、ESCにおけるスウェーデンは、ファンクに強い印象があるし
シッシィの安定した歌唱力とカリスマ性で、スウェーデンっぽさが強まる気もする
あるいは、ラトビアの国内予選 Supernova に出場する歌手っぽいかも?
って、ちょっと思ったけど、Supernova はもっとダークで未来的なイメージがあるな
だから、この曲が優勝したとしても、やっぱりスウェーデンっぽいって言われるのかも

しかし、よくよく聞いてみると、なんかあと一歩足りない感じがするんだよね
たとえブラインドで聞いたとしても聞き分けられるほど、歌声がすごくユニークで
歌声だけで、他の出場者とは違うカリスマ性があるように感じてくると思う
でも、実際のところはそのユニークな歌声で縛られている部分もあって
ユニークな声で歌うために、全体、ちょっと余計に抑え気味な歌い方になってる印象もある
概ね上手く歌っていると思うんだけど、まだカリスマ性を強められる気がするし
なんて言うか、もっとうまく歌える気がしてならない
パフォーマンス自体は、セミファイナルの時よりも軽やかな印象があって
歌唱力が上がったというよりかは、ちょっとだけライブに慣れたってことか
まだまだこのパフォーマンスを洗練させられるような気がするよ
準決勝動画 準決勝記事


Lumevärv feat. INGA
(曲:Milline päev

準決勝のパフォーマンスから圧倒的に良くなっている!!!
というか、笑顔の輝きが全く違うんだけど!!!

これはすごい! こんなに変われるの人って!? しかもたった一回で!
シッシィがちょっとだけライブ慣れしてパフォーマンスが軽やかになっていたみたいに
インガも、明らかに良くなっていて、動きも声も軽やかになっているんだけど
「良くなっている」の度合いが全く違うよ!!

音楽のキラキラに負けないぐらいキラキラの笑顔
この変化は本当にすごいわ、めちゃくちゃ素晴らしかったぞ
イントロからの、表情のアップで歌ってるところからしてもう全っ然違う
眩しいぐらい笑顔がキラッキラ輝いているし
あの笑顔だけで、もう一発でインガの事を好きになれる
あれでもまだ、硬さは残っているけども
見てて「今この瞬間を楽しんでる」感がすごく伝わってくるんだよね

特に、間奏ダンスパートのあと、二番歌詞に入ってからの
キャットウォーク上での歌唱が別人のように良くなっている
振付けそれ自体はそんな違わないはずなのに
用意した振付けで踊りながら歌ってるように見えず
その場のノリでクルクル回転しながら歌ってるように見えるんだよね
歌もタンスも、もう何もかもがとっても軽やかになっていて
それゆえに、彼女のパフォーマンスはどの瞬間もチャーミングに見えるという

そんで、前回最高に良かった間奏パートのダンス!!!!
信じられないぐらいダンスのキレが良くなっている!!!
キレが良いと言うよりかは、前回と比べるて、動きが大きくなっているのか
滑らかさで言えば前回の方が綺麗なんだけど
あまり、「いかにも練習した通りの振付けをしてます」って感じを出させないために
あえて荒っぽく、動きを大きくさせて踊っているのかもしれないな
ともかく、準決勝の時点で体が勝手に動いてそうな、気持ちの良いダンスをしてたけど
今回のダンスはまた段違いに楽しそうで、見てるだけで心が躍るんだわ

惜しいところがあるとすれば
それでもやっぱり、ラスト周辺の歌唱に、若干の硬さがあるってことだな
ダンスしながら歌ってたからかな、ラストの方の声がちょっと弱くなってるし
歌い出し辺りのきらめきを持った歌唱を続けられていれば、もっと良かっただろう
物足りないというか、もっと明るく軽やかに歌えただろうなと思うと惜しいよなあ
彼女の歌声が元から低めって言うのは関係なくて
あともうちょっとこの曲を自分のモノにできていれば
たぶん、誰も近づけない魅力の詰まった歌唱になっていたんだと思う

いや、なんにしても、このキラキラ具合はほんと素晴らしかったと思う
音楽のシンセピアノの煌めきに負けないキラキラ具合も良かったし
準決勝が90点なら、これは110点だと思ったね
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Victor Crone
(曲:Storm

今の今でインガの歌唱を忘れさせるパフォーマンスなんだけど!!
むしろ、インガの直後だからこそ、非の打ち所すらなくなるよ!

さっきのインガのパフォーマンスでも、十分カリスマ性に溢れていたっていうのに
クロンのパフォーマンスは次元の違うカリスマ性を持ってて心底驚かされた
以前も書いたけど、クロンに関しては、ずっと歌唱力に難ありなイメージを持ってて
実際、準決勝での歌唱は、お世辞にも完璧とは言えないアマチュア臭があった
箇所の中で言えば、何度も書いてるけど、「え」の発音が汚く感じて
それで、私は肝心なところで彼のパフォーマンスを中々評価できないでいたんだよね

だけど、今回の歌唱は、ずば抜けて高いカリスマ性が全てをカバーしきっていると思った
もう、有無を言わせずに勢いだけで圧倒させにきたら
爽やかさとカリスマ性で聞き手の心を掴んで離そうとしないんだわ

直前で歌ったインガのパフォーマンスも、もちろん素晴らしかった
ものすごくキラキラしていたし、ステージで歌って踊ってるあの瞬間
インガは人生で一番楽しくて幸せな時間を享受してるように見えていたし
だけど、それでいて、やっぱり肝心なところで素人臭いというか
ラストの方の、肝心なところでパワー不足になってて、フラストレーションがたまって

そこにきて、クロンの歌唱は、インガで感じてたモヤモヤさえも吹っ飛ぶものだった
やっぱりあの勢いの良さと爽やかさが、歌唱の聞こえを良くさせるんだろうな
それどころか、一貫して突き抜けた歌唱をしているじゃない
ミスを恐れることもなく、ピュアな心を持ってまっすぐ走るような爽やかさ
その姿を見ていると、心が晴れ晴れとした気持ちになるのを感じるし
「あ~、ここはすごいのにここがもったいないな」
「こういうところは良いのに、こういう風にすればよかったのに」
そういうのを感じさせない歌唱になっているから素晴らしい
それどころかむしろ、観客を魔法にかけてしまうような歌唱になっている
ステージ上でのパフォーマンスによって、いかに視聴者を魔法にかけられるかっていうのは
この手のオーディション番組、歌唱大会では、本当に重要なことの一つだって私は思うんだ
観客は、みんな出場者がステージで歌う姿を見て魔法にかけられたいんだよね
踊れるような楽しさか、感情移入の楽しさか、楽しむ、の意味合いはみんな違ってるけど
共通するのは、現実を忘れて、ステージ上で広がる
あるいは、ステージから外に広がる世界に没頭したくてステージパフォーマンスを見るんだ
そうでなけりゃ、デジタル音源なりで音声だけを聞くわけだし

そんで、インガの歌唱には、クライマックス近くまでは、観客を魔法にかける魅力があった
でも、クライマックスが物足りなくて、ふとした瞬間に現実に戻されてしまうんだよね
だけど、クロンの歌唱は、一度彼の歌唱で魔法にかけられてしまうと
最後まで魔法が解けないようなパフォーマンスになってる
なんなら、歌い終わった後の「エイテ!」で現実に引き戻されるぐらい
そこが、この人の魅力なんだって、私はようやく気が付いたよ
ほんとすごい
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Kerli Kivilaan
(曲:Cold Love

出る番組を間違えた感がちょっとある気がするのがなあ
方向性的には、私が Eesti Laul に求めているインディーバンド感はあるんだよ
だから、嫌いになるって言うことはないわけだし、漠然と「良い曲だな~」とも思うし
シンガーソングライターのアンプラグドなライブって、ちょうどこんな感じだよね
だけど、どうにも物足りなさの方が先にきてしまって、いまいちに感じてしまうんだよなあ
ポップス色が強すぎるのが良くないんだろうか、それとも内容が薄いのが良くないんだろうか
音楽の雰囲気や歌詞の感触的に言っても、全体的に、当たり障りのない曲って印象しかないし
今一つ、彼女じゃなきゃダメな理由だとか、この曲じゃなきゃいけない理由が見えてこない

例えば、これがアンプラグドなインディーバンドが集まる番組に出てたら
印象はもっともっと良くなっていたし、人気も出ていたんじゃないだろうか
それこそ、チェコの国内予選大会が、まさしくアンプラグドな音楽大会
つまり、エレキ系の楽器、電子楽器を使わない大会になっていたし
ああいう大会でなら、この曲はもっと活躍できたのかもしれない

綺麗だとは思うんだけどね、歌唱も曲も悪いところがあるわけではないんだもの
でも、歌詞の中身を伝えるよりも、ポップスとしての完成度の方が重視されてそうだし
……ああ、それが違和感の正体か
自分で書きながら言ってて気が付いたわ

この人の歌唱って、最初から最後まで、歌詞の内容を伝えようとしているわけじゃないんだ
ただただ、綺麗に歌唱を聞かせるように歌っているってだけだし
内容自体も繰り返しの歌詞が多く、はなから何かを伝えるための曲ではなく
ほんとに、単なるティーン向けのポップスって感じが強いんだ
言ってしまえば、シンガーソングライター『風』のポップス
ポップス色が強いんじゃなくて、ポップスが主体なんだろうね
だから、そもそも歌詞の中身を求めてもしょうがないし
それを伝えようとする能力を求めるのもナンセンスで
どちらかと言うと、漠然とSSWっぽい曲を聞いて楽しむのがメインなのかもしれない
……って言って、本人はすごいまじめにこの曲を書いたかもしれないど
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xtra basic & Emily J
(曲:Hold Me Close

曲はカッコいいのに、歌唱が浮いちゃってるのがすごくもったいない
準決勝の時は、他の比較対象がまだ出揃う前に歌っていたから
歌唱が多少微妙でも、音楽のカッコよさでそれなりに高めに評価できていたけども
ここまで来ると、この程度の歌唱レベルじゃもう厳しいとさえ思えてくるな
クロン、ウク、シュンネ、上手い人はいくらでもいるし
同系統のアイドル系歌唱で言えば、インガの方が圧倒的に輝いているわけだし

パフォーマンスそれ自体は、決して悪いわけじゃないんだ
エミリーも準決勝のパフォーマンスと比べれば、緊張が和らいでるのが分かるし
それでいて、一生懸命に頑張ってるな~、って思わせるような歌い方が出来てるからね
ただ、改善されてもやっぱり、The X Factor のライブショーっぽさが抜けず
つまり、露骨に素人っぽい感じや、歌唱力やカリスマ性の低さが目に余る
歌声にいたっては、曲に対してあまりにも浮いちゃってるわけだし

と言うか、歌声の浮きっぷりに関しては、ほんと良くないと思う
準決勝初日の出場者の多くが、ちょうどこんな状態で歌っていたんだよね
いかにも The X Factor みたいな、今までカラオケしかしてこなかった人が
オーディションを受けて、ちょっとの訓練でライブショーに出られるようになりました
みたいな状態で歌ってるようにしか聞こえないと言う

途中で、観客を呼びかけるように声を上げてるところがあるよね
その声と、歌っている時の声の感触があまりにも違うから分かりやすいんだけど
そのパフォーマンスのせいで、歌唱の作り物っぽさに拍車がかかってるのも良くないし
だから、声を上げた直後の歌唱なんかは、特別素人っぽさが強くなってるように感じる
練習した曲を頑張って歌うことに必死になりすぎるあまり
観客を楽しませる魅力や、歌詞の中身を表現する力だとか
そういう、観客を魔法にかけるようなことができていないから退屈に感じる
むしろ、魔法にかかるのはサビ間奏の音楽の雰囲気でだけって感じで
歌唱が入ると逆に現実に引き戻されてしまう感じさえあると言える
自分の力でその曲を表現しようとする、自分が表現したいように歌うんじゃなく
とにかくミスしないように、リハーサルどおりの歌唱が出来るように歌うって感じで
エミリーの歌唱は常に、曲に対してお客様状態、カラオケ歌唱と言わざるを得ない

これなら、同じ曲をインガに歌わせた方が、遥かに上手く歌ってくれそうな気さえするなあ
インガだったら、多少、素人っぽさが残ったとしても
その場のノリ、その時のテンションで、自然なアドリブをかけそうだし
事実、インガは自分の曲に対してそういうアドリブを加えていた
この差は、正直ものすごくデカイと思うぞ
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Kadiah
(曲:Believe

正直、これでどうして決勝に上がれたのか……
ここまで歌ってきた人たちの中で、最も味のしない曲だと、私は思っている
決して、歌っているカディアの歌唱力が酷いとかっていうわけではないし
音楽に関しても、聞くに堪えないような不快な曲って言うわけでもない
むしろ、すごく綺麗な歌だと思うよ、カディアの歌声や歌い方もあって
ただ、綺麗なだけで、綺麗ってコメント以上のものが何も出てこないんだよね
なんなら、さっき酷評したエミリーの方がまだマシだとさえ思えるほど、何もない
まだ準決勝の時の方が、緊張気味ながらも雰囲気のある歌唱ができてた気もするが
準決勝は準決勝で味がしなかったしなあ

何が良くないって、やっぱり歌唱の中に物語が全くないところだと思う
前回も書いたけど、特に声を伸ばした時に、そこに何の感情も感じられないんだよね
大抵の人なら、歌声を聞いたときに、その曲にこめられた景色が見えてくる気がするし
歌い手の足元から、あるいは聞き手を包み込むように、景色が広がるはずなんだ
そして、その景色は何も風景だけじゃなく、感情や物語だとか、色を感じたりとかもする

でも、この曲にはそうした、歌唱や音楽を通して感じられるものが何もない
ただ声を伸ばしてるだけ、ただ声を出しているだけとしか言えないような状態だし
歌唱の中に感情を乗せるだとか、歌詞の向こう側にある言葉の意味を乗せるだとか
彼女の歌唱には、そうした言葉の力、歌の力っていうものが存在していない
歌い終わったら帰りにスイーツ()でも食べに行こう、ぐらいの感覚に聞こえる
もちろん、本人は真剣にこの大会に取り組んでいるんだろうし
彼女なりに思い入れを持って、自分の曲を歌っているんだろうとは思うけども
抑揚も何もない、ただただ淡々とした歌ってるだけに聞こえるから
少なくとも、私にはこの曲から学べることは何もない
というか、最初から最後まで一定の歌唱しかしてないところを逆に評価するよ
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Sünne Valtri
(曲:I'll Do It My Way

個人的に癒しの90年代バイブス曲
スラムダンクのオープニングにぴったしな曲来たwwwwwww
さすがに、Kadiah の直後だと歌唱力の高さが際立つな
まあ、準決勝の時ほどのインパクトもないんだけどさ
……というか、なんかパフォーマンスが過剰になってないかな?
それに、やたらとハツラツとした歌い方をするようになっているけど
うむむ? 準決勝の時みたいに自然な歌唱で良いんだけど?

他の出場者たちが、大体みんな準決勝よりも明るく軽やかに歌えてるように
シュンネも準決勝の時とはちょっぴりとだけ違っている
一番の差は、先にも書いたようにハツラツとした歌い方
声の雰囲気が特別変わっているっていうわけではないんだけど
見た目の変化は結構、歌唱に影響を与えることも多いからなあ
例えば、どれだけ歌唱や曲が良くても、MVが酷かったら曲の印象も悪くなるみたいに

準決勝のパフォーマンスを見返すと、やっぱり今回ほど動き回ってはいなかった
手でハートマーク作ったり、体を揺らしながらってのは前もやってはいたんだけど
全体的に動きがすごく大げさになっているように感じるんだよなあ
それに、ハンドジェスチャーがやたらと増えてる気がする
あれだ、アメリカンで大げさな動きが増えたんだと思う
まあ、曲の雰囲気が90年代アメリカポップス調ではあるからいいんだけど
変に振付けを入れるよりかは、歌う上で自然と出てしまう身振り手振りだけで良いと思った

まあまあまあ、でもその変化に関しては
ほとんど、準決勝を見ている人だけの意見で、些細な問題でもある

個人的には振付けとかよりも気になったのが、音楽そのもの
準決勝でこの曲がすごく魅力的に感じられたのって、やっぱ順番だなって思ったんだ
だって、準決勝初日の微妙な曲が乱発された後で
準決勝二日目のキックオフを彼女がやっていたんだからね
これでもし、二日目の最後に歌ってたりしたら、私は評価してなかった可能性がある
それほど、二日目はユニークな出場者たちが集まっていたわけだし
むしろ、彼女が決勝に上がれたのも不思議なぐらいだからね

でもまあ、この手の音楽が私にとっての癒しなことには変わりないわ
こういうシティ・ポップ的な曲が私のツボでもあるからね
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Stefan
(曲:Without You

Duncan Laurence の2Pカラーにしか見えないんだよなあ
今年のオランダ代表、Duncan Laurence とタイプがダダ被りしてしまってて
もうそれだけで私の中では彼に対する評価はとにかく低い
批判をするわけじゃなく、ただ私が一方的に面白くないと思ってるだけ
ダンカンの曲を聞く前にステファンの曲を聞いてたら、また違ったのかもしれないが

いや、それでなくても、私はやっぱり評価しなかっただろうな
今のところ、今年のエストニア代表候補たちの中で
ステファン、ケルリ、カディアの3人は、3大退屈ソングって扱いになってるんだ
大会後にその3人の事を覚えてられる自信すらないもの
いや、Rag'n'Bone Man っぽいサビはかろうじて覚えてるかもしれないけど
それはもう、Rag'n'Bone Man っぽいからなだけであって、やっぱり忘却の彼方だろうな

どうでもいいけど、歌唱後に聞こえてくるサルみたいな叫び声よ
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The Swingers, Tanja & Birgit
(曲:High Heels in the Neighbourhood

この二人から漂ってくる Alexander Rybak 感の強さよ!!!
2014年のエストニア代表 Tanja と、2013年の代表 Birgit Õigemeel の
元エストニア代表同士で組んだ夢のスターコラボを実現させたユニット
準決勝じゃ、最初も最初、初日の一番手として歌っていたのもあって
二人が組んでいるって言うことのすごさや、ありがたみや
他の出場者たちと比べてどれだけの力量差があるのか、カリスマ性に差があるのか
そういうのが、だって一番手だからね、さすがに他に比較対象がいなくて見えてなかったけど
でも、改めて二人のパフォーマンスを、しかも決勝の終盤で見てみると、印象が変わるな
何より、この二人から漂ってくる最強のコンビっぽさに胸が躍るもの

元エストニア代表者同士だって知ってるからそう感じるってのもあるけど
その姿は、さながら帰ってきた王者 Alexander Rybak のパフォを彷彿とさせるものがある
なんと言っても、パフォーマンスにおける安心感がとにかく絶大なんだよ
シッシィとかエミリーレベルはもちろん、インガや、シュンネでさえ足元にも及ばず
ここまでの出場者たちのパフォーマンスを、全ておままごとにしてしまうレベルだと思う
Alexander じゃないけども、まさしく「これが最高の曲の作り方だ!」と言ってるようだ
ほんと、ステージパフォーマンスに対して圧倒的な慣れは、さすがとしか言いようがない

というか、歌唱力よりもまず、パフォーマンス力だけで他と差をつけてる辺りが
なんかもう、マジもんのスーパースターって感じがして、見てて楽しいわ
クロンもカリスマ性はあるし、シュンネにもプロっぽさはあるのに
この二人のスター性を前にしては、完全に霞んでしまう
だって、クロンは歌唱力をカリスマ性でカバーしているところがあって
シュンネは歌唱力でカリスマ性をカバーしているところがあるわけじゃない
そこに来て、歌唱力とカリスマ性が高いことが当たり前なターニャ&ブリジッドは
そりゃもう、無敵のアイドルユニットって感じが出るのも頷けるってもんだわ

何気に、昔キャピキャピ(古の言葉)してブイブイ言わしてた(太古の言い回し)アイドルが
最近になって活動を再開して、当時の曲を今風にアレンジして歌ってるっぽく見えて
その感触が、他の出場者たちにはない面白さ、ユニーク性をかもし出している気がする
ある意味シュンネと同じ方向性と言えなくもないけども

ともすれば、音楽的にはでも、構造は結構シンプルだし、目新しい音楽ってわけじゃないし
Eurovision ファンからの評価がどうなるのか、あんまり予想できないところがある
たぶん、多くの人は私が感じたみたいに、Alexander Rybak っぽさを感じるんじゃないかな
いや、でもそれは、この二人が元代表者同士だと知ってるからこそ思うことか?
なんだかんだで中堅ぐらいの扱いを受けて決勝には確実に良そうだけどね
準決勝の時は気づかなかったけど、改めて二人の良さを感じると
私は普通にこの二人が代表になっても良いと思ったよ
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Uku Suviste
(曲:Pretty Little Liar

ステージプレゼンテーションが圧倒的に良くなっている!!
聞こえの印象に大きな影響を与えるほどの変化をしているクロンやインガ
歌う順番で印象がガラッと変わった、地味な変化のターニャ&ブリジッドと違って
ウクのパフォーマンスは準決勝から大幅に改善されてて見栄えが全然違うwwww
いや、っていうか準決勝の時の見せ方が意味わからなさ過ぎたんだわwww

準決勝の時のパフォーマンスって、イントロからずっと女性ダンサーが踊ってて
ウクの姿は中々出てこないし、出てきても後ろからさりげなく登場するしで
高校生の学芸会味のある、妙に安っぽいルーティンやカメラワークになってたんだよね
特に、メインであるはずのウクの登場の仕方があまりにも面白くなくて
「セルビアの国内予選大会かな?」って思ってしまったほど

だけど、今回はその辺りの演出や流れが大きく改善されているんだよね
スタートこそ、同じように女性ダンサーのパフォーマンスで始まるものの
でも、今回はウクの登場の仕方がより自然でカッコ良くなっているんだよ
キャットウォーク上で決めポーズしながら歌ってるところからスタートしてるよね
しっかりと、ウクが主体のパフォーマンスですよ、って分かりやすくなっているわけよ
むしろ、なぜこれを準決勝の時にやらなかったのか
ダンサーと二人一組の出場者だって言うならまだ分かるけど
準決勝の前半は、ウクがダンサーのおまけになってると言っても過言ではないわけだし

しかも、それだけじゃなく、クライマックス前に女性が消える演出を挟んだりと
ぱっと見は似たステージングに見えて、随所に変化がみられる
いや、変化というより改善、これは圧倒的改善ですよ
インガやクロンが、その場のテンションでパフォーマンスが良くなったのとは分けが違う

そんで、歌唱に関しても変化があるからすごいわ
ESCの公式動画を除いて、Eesti Laul の公式動画の中だけで言えば
決勝進出者たちの中でも、動画再生数がぶっちぎりで多いのがウクで
YouTubeのコメント欄を見てみると、ウク派かクロン派かで議論が白熱してたっぽく
改めて、各準決勝の1位通過者の人気のほどを知ることができるんだけど
その中には、「ウク歌えるじゃん!」って言う、興味深いコメントがあった
実際、私も準決勝の時は今一つ、歌唱だけでは評価しきれないところがあったんだよね
準決勝での歌唱って、概ねカリスマ性のあるカッコいい歌い方が出来ているのと
どことなく、Genesis のPhill Collins の歌声を彷彿とさせる歌唱で評価したかったのに
ラスト付近のボーカルパフォーマンスとか、粗やパワー不足感もあって
こう、すごく良いのに、肝心なところで高評価になりにくいタイプだったんだ
だけど、決勝戦では全力を出し切っているし、文句ない歌唱をしてると思っていた

特に、クライマックスの歌唱に関しては、圧巻のシャウト歌唱をしていて
この1回に込めている熱量をひしひしと感じるんだよね
カディアの歌唱に何も感じなかったって言うのは、こういうところだわ
シャウトしろとか、熱く歌えとかっていう意味じゃなく
だって、今回のウクの歌唱は、最初から最後まで生きているじゃない
バシッと決めてる冒頭のルーティンから、ちょっと芝居の入った女性消失の流れ
そして、まさしく魂のこもったシャウト歌唱
どの瞬間も、ウクが自分の意思を表現しようとしてるのが伝わるから良いんだね

いやほんと、これはすごく良い改善ですよ
準決勝動画 準決勝記事


Inger
(曲:Coming Home

ここだけ完全に別の番組になってるよな
ある意味、最もESCとかけ離れたところで歌っているのがインガーだと思う
だって、ここまでで歌ってきている出場者たちって、大なり小なり
そのほとんどが Eurovision の大きなステージで歌うことを想定しているじゃない
アイドル歌手のインガが、キャットウォークやステージでダンスを披露するっていう
物理的にステージを広く使ったパフォーマンスをしていることもそうだし
クロンみたいに、会場全体の観客を楽しませる、ノリノリにさせる歌唱も
シュンネやウクみたいに、声量や技術で大きな会場を満たすのもそうだし

だけど、インガーの歌唱は、大きなステージ向きとは言えないようなスタイル
ESCのステージで歌ったとしても、こじんまりとしすぎるような気さえする
ほとんど、ステージに小さなイスを一つ、ぽつんと置いて
そこで弾き語りをするような状態になるだろうからね

だけど、だけどインガーの歌唱は目を離せなくなる
とにかく、聞けば聞くほどこの音楽の世界に没入していってしまう
歌声の持つ優しさで、音楽が持つ温かみで、ぐいぐい聞き手を引き込まれていってしまう
だから、気がつけば彼の歌の世界に飲まれて、ステージの規模とか関係なくなるんだね
そんで、彼をプロデュースしている側もそのことを分かりきっているから
バックコーラスも、バックダンサーもつけず、ステージも派手にすることなく
ただただ、インガーがぽんとそこにいるだけの状態っていう

歌の力とか、音楽の力とか、そういうのの使い方ですら、他の人とは違うよな
他の人たちは、上手く歌うことが目的って感じになってるのに
インガーにとっては、歌はもう喋るのと同義ぐらいまで言ってそうに見える
歌い方やジャンルは全く違うんだけど、デンマークのアンナよりかは
サルヴァドール・ソブラルみたいな天才肌の感触すら感じるよ

そんで、これやっぱり曲が良いよな~~~~~~
英語の訛りもそうだけど、Mumford & Sons っぽさがすごく強いんだもの
準決勝動画 準決勝記事


Sandra Nurmsalu
(曲:Soovide puu

これはポップスの枠を超えて、もはや芸術でしょ
インガーの歌唱の次元の違うパフォーマンス感も違っていたけども
サンドラに関しては、もはやスケールが全然違う
ここまで、みんなあくまでポップスとして歌ってきていたし
ESC で活躍するための曲を持ってきている、自慢の一曲で勝負している感じだったのに
この曲だけ、ESCとか全然関係ないところで歌う、完全に芸術作品になっている
でも、それでいてESCに出したとしても、全く違和感のない曲だからすごいわ

改めてサンドラの曲と歌唱を聞いて思うのは
なんとなく民謡っぽいんだけど、創作民謡じゃあないんだよね
創作民謡なら、準決勝2日目に分かりやすいぐらい創作民謡らしいのがいたわけだし
これはどっちかっていうと、エンヤとかと似たタイプのジャンルになるんだと思う
ワールドミュージックXニューミュージックって感じと言うか
だから、エスニックな雰囲気を持っていながら、ポップスでもあると思うし
だからこそ、どの曲よりも Eurovision に合った曲だとも思うんだ

そして、サンドラの歌唱がまた、素晴らしい
だって、まず歌声だけでこの曲の世界を表現しきっているじゃない
エストニア語の語感から来る印象もさることながら
高音だけど、キンキンしてるわけじゃない、柔らかさのある高音域で歌ってるからね
透き通っているともいえるんだけど、クリアな声というのとはちょっと違っていて
レースのカーテンぐらいの透き通り方と柔らかさを同時に持っていると言うか
それに、民謡調だからってだけじゃなく、見える景色が雄大な所も素晴らしい
歌声が伸びやかにどこまでも広がっていく感じがあって
それは、こんな人工的な建物の中には納まらない
本当に草原のような自然の中で、どこまでも遠くに伸びていく感じがするんだわ

しかし、これは流れが完璧だよね
ターニャ&ブリジットが、「ポップスとはこういうことだ!」って歌って
それまでの出場者の歌唱をおままごとにしてしまって
直後に、今度はウクがその上を行く、魂の歌唱を見せる
ウク以上に熱量のこもった歌唱は、この決勝戦で他にはいないわけだし
と思えば、インガーの歌唱で全く別次元の天才肌な歌唱を見せて
その後、オオトリをサンドラが歌うんだからね
準決勝動画 準決勝記事

結果発表
さて、これで今年の決勝進出者全員の歌唱を見たわけだ
ここからは、いよいよ優勝者が決まっていくわけだけど
そのシステムは、準決勝での審査方法とほぼ同じと言っていいだろう

まず、視聴者と審査員の票(50%:50%)で順位を決め
その後、上位3位以内の入賞者の中から、視聴者票100%で優勝が決まるというものだ
それでは、審査員票とのコンビネーションから見ていこう

参考URL
https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Estonia_in_the_Eurovision_Song_Contest_2019&action=edit§ion=9

1位 Stefan (12+7)=19点
2位 Uku Suviste (5+10)=15点
3位 Victor Crone (2+12)=14点
――通過ボーダーライン――

4位 Sissi (8+6)=14点
5位 Lumevärv ft. Inga (10+2)=12点
6位 Inger (1+8)=9点
7位 The Swingers, Tanja & Birgit (4+5)=9点
8位 Sandra Nurmsalu (6+1)=7点
9位 Kerli Kivilaan (7+0)=7点
10位 Kadiah (3+3)=6点
11位 Synne Valtri (0+4)=4点
12位 xtra basic & Emily J (0+0)=0点

このTOP3結構不満なんだけど!?
何が不満って、クロンに対する審査員からの点数があまりにも低すぎる!
逆に、ステファンをなぜそこまで推したいんだ審査員はって思ったわ
ウクに関しては、まあ妥当かなって所なので、特に何も思わないけども
しかもこれ、獲得した票の上位から順番に加点されてく方式で
じゃあ、実際にどれだけの票が視聴者入ったのかって言うと
視聴者票3位のステファンが6132票、2位のウク8987票で結構開いてて
1位のクロンにいたっては、15513票と圧倒的な差をつけてるんだよね

まあ、必ずしも視聴者の票が多いからって、それが全てじゃないし
審査員票があったおかげで、ESCでも活躍できたパターンもあるからね
それでも、審査員票2点て、9位ってことだからね

あと、インガーくんも審査員票が極端に低いと思うんだよなあ
Kerli がやたら高順位なとこも疑問だし(むしろ審査員こそ評価するタイプか
アイドル歌手のインガが審査員票2位なのが唯一納得いくところか

一方で、じゃあ点数や順位で嬉しかったところはどこかってなると
私、90年代臭の強いシュンネは評価されないだろうと思ってたから
審査員からは0点だけど、視聴者からそれなりの票を入れてもらえてて嬉しかったね
それから、視聴者からは不評だけど、サンドラが審査員票で順位を上げてるのも良かったし

しかし、いろんな国の国内予選を見てきたけども
ここまで審査員と視聴者の意見がかみ合わないのも珍しいな

ともかくとして!
そこから、今度は上位3名の中から、視聴者票で結果が決まることになる
……正直、これ結果を見なくても、この時点でもう分かりきってるよなあ

その結果がこちら!
1位 Victor Crone 23270票
2位 Uku Suviste 15498票
3位 Stefan 12380票

と言うことで、こうしてヴィクトル・クロンが優勝を果たしたわけだ
まあ、これはそうなるよなあ
個人的には2位のウクでも良かったと思うし
なんならサンドラか、ターニャ&ブリジットでも良かった気はする

でも、私はクロンの優勝で文句はないよ
むしろ、Eesti Laul を見るまでは
「今年のエストニアはスウェーデンっぽすぎる」って思っていたけど
これ大会を見たら、そりゃクロンが優勝するだろって素直に思えたからね
たぶん、この大会を見ていたほうが、ESC 本戦でももっと応援できていたぐらいあるわ


全体の感想
ま~~~~~~~~~~~~~~~
何と言うかね~~~~~~~~~~~
過去2年分の Eesti Laul はすごくセンスが良かったし
バルト三国の中で唯一、北欧と肩を並べられる国内予選大会ってイメージがあったんだけど
今年は、ちょっとスウェーデンには届かないかな? って思ってしまった
Melodifestivalen からポップな感じを抜いて、良い意味で厨二っぽさ
あるいは大二っぽさを足したみたいなところが気に入ってたから
今年はシンプルに実力不足な人が多くて戸惑ったよ

とは言え、本当に実力不足な人は準決勝初日で敗退してたし
てか、初日がほんとエストニアどうした!? って状態だったからね
その反面、準決勝2日目は物凄く面白かった
求めていた Eesti Laul とはちょっと違ったけど
たぶん、あの感じが本来の Eesti Laul なんだろうなと思えたし
今のESCに足りていないぶっ飛び具合が詰まってたから楽しかったよ

決勝に関しては、まあまあまあ
準決勝2日目で、カディアとケルリが通過して
初日のステファン含め、当たり障りのない出場者が通りすぎだろって思ってた
でも、最初の3組と、ラスト4組の流れがとにかく面白かったんだよね
さっき歌った人よりすごい、次の人はもっとすごい! って
加速度的に面白くなってく流れになってたから見るのが楽しかった
それに、準決勝よりもパフォーマンスが良くなってる人も多かったし
終わってみれば、センスも良いし記憶に残る大会だったよ


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Eurovision もくじ記事
http://sheilabirlings.blog.fc2.com/blog-entry-6210.html

サムネ
https://wiwibloggs.com/2019/01/01/wiwi-jury-eesti-laul-2019-reviews-rankings/
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